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Several scrambleとOne ball conditionでのスタッツ比較からアベレージゴルファーのスコア低減要因を実証する

Abstract

通常ゴルフプレーでは,打ち直しが許されず1つのボールを打ち繋いでホールアウトを目指すため,1つの失敗がスコアを大きく左右する場合がある.そのため精神的,技術的に優れた能力を求められ,ゴルフは最も難しいスポーツのひとつといわれる所以である.本研究では毎ショット2-3回打ち、自分自身でベストボールを選択するスクランブル条件 (Self- scramble: SC)を採用してホールアウトが出来る機会を加えることで、通常プレー(NR)のスコアと比較して,どの程度スコアやスタッツが向上するのかをアベレージゴルファー10名を対象に調査した.その結果,NRにおける9ホールのトータルスコアは平均46.6ストロークであったが,SC2(毎ショット2回)では7.7ストローク,SC3(毎ショット3回)では10.6ストローク有意に低減することが確認された。一方、3つのプレー方式トータルスコアが有意に低減してもそのPatt ratioは全て38%前後であり、プレー方式が変化してもスコアに占めるパット数の割合は変化しないことが明らかとなった。また、NRとSC2おいてトータルスコアを従属変数とし、各スタッツを独立変数とし、ステップワイズ法で重回帰分析した結果、NRではGIRがトータルスコアの51.2%を予測しており、SC2ではGIRとone- puttでトータルスコアの87.3%を予測していた。GIRがアベレージゴルファーのトータルスコアを低減する上で最も重要な要素である可能性が示唆された。

 

Keywords: golf, score analysis, scrambling

Ⅰ. Introduction

 ゴルフはそれぞれのホールの距離に応じてPar3からPar5までの基準規定打数(PAR)が設定され、基本的には、前半9ホールと後半の9ホールそれぞれで36ストローク,合計72ストロークとなるようにコースが配置設定されている(例外もある).この基準が歴史的にいつから設定されたのかは正確には不明であるが、この規定打数(Par)という概念は、マッチプレーが競技方法の主体であった頃には目の前にいる対戦相手のスコアにより勝敗がつくため規定打数の必要性がなかった。しかしながら、1759年にセントアンドリュースで始まった合計打数を競うストロークプレー(stroke play )の考案をきっかけに規定打数(Par)という概念が急速に広まっていった.

https://www.jgto.org/jgto_pc/fan_room/tour_news/pdf/60.pdf  P6参照

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC  Wikipedia参照

 

ゴルファーはその目標ストローク規定打数に対して、パターを除く13本のクラブを駆使し、その基準以下のストロークになることを目指す。またゴルフラウンドでのルールは、同じ箇所での打ち直しが許されず1つのボールを打ち繋いでホールアウトを目指さなければならないと設定されており、1つの失敗がスコアを大きく左右する1。それ故、ゴルフは、毎回のショットにおいて精神的、技術的にも優れた能力が求められるため、最も難しいスポーツのひとつと考えられている。ゴルフパフォーマンスとは最終的にはスコアのことを指し、コースマネージメントや戦略(strategy)とスイングやパッティング動作の正確性がスコアに影響を与えるといえる。毎回のショットにおいて、斜面やライが異なるゴルフスイング動作では、正確にボールをコンタクトするための再現性が求められる。そのためにドライビングレンジでの練習では、子供であればシャフトの長さを短くし、軽いクラブを用いることで反復練習での精神的及び身体的な負荷を軽減させることや、初心者やアマチュアゴルファーではクラブ重量が軽いゴルフクラブを用いてショットの感覚を養成することで

初心者やアマチュアゴルファーであれば、正しくクラブがグリップできるようにassistされた道具を使用することや,ティアップしたボールを打つことで本来地面からボールを打つ難しさを軽減し,

 

ゴルフスイングの技術的な難易度を下げた状態でトレーニングを実施することがある。これは、初めて自転車に乗る子供が補助輪をつけて練習をすることや、水泳でのビート板の利用など運動実施者の精神的・身体的・技術的な負荷を軽減し、成功体験や運動感覚を促すことと似ている。バスケットボールのようなボールゲームでの導入では、ポートボールの形式を用いることでゴールの高さを下げることでシュートの難易度を下げたり、サッカーでは、コートサイズを小さくすることでキックに対する負荷を下げたりすることがある。本格的に子供がゴルフを始める前段階として、スナッグ(SNAG)ゴルフが代表的な方法として挙げられるが、これは2001年に2人のアメリカ人プロゴルファーにより開発されたスポーツイクイップメントである2。SNAGとは、Starting New At Golf (ゴルフを始めるために)の頭文字を使った造語であり、本格的なゴルフにつながるような様々な技術的負荷が小さくなるように道具やルールに工夫がなされている。またグラウンドゴルフやパークゴルフなどでは、本来のゴルフフィールドのより小さい環境の中で,より簡易な道具を用いゴルフルールの難易度を低下させることでそのゲームを楽しめるようになっている。特にこのような本来のゴルフを簡素化したコンテンツやショートコースなどを利用したゴルフラウンドは、ゴルフを始めた初期の初心者には有効的であるが、既に18ホールでのゴルフラウンドを経験している初級者から上級者までのアマチュアゴルファーは、様々な複数のゴルフクラブを駆使して広大なゴルフフィールドを攻略することを主眼としているため、これらの簡易化したゴルフゲールルールを利用したゲームに後戻りしてトレーニングに応用し実践することは殆どない。

ゴルフの専門的指導者は、様々なコース環境において、プレーヤーの成功体験や運動感覚、ゲーム戦略を養うことを主眼とし、ゴルフパフォーマンス(スコア)の短縮に直結する方法論を模索している。著者らはプロゴルファーとアマチュアゴルファーのプレーにおける大きな相違点は、ルール上1回しか打撃できない場合でのショットの確率と状況判断(コースマネージメント)に差異があると考え、特に状況判断を加えたなかで複数回打撃できる機会をラウンド中に経験し、そのデータのフィードバックを与える重要性を理解させることがこれまでのアマチュアゴルファーへの指導に欠如していたと考えた。BordieとKo (2009) は 、6500yardの仮想コースを設定し,全てのショットをベストボールとワーストボールを選択してプレーした場合の平均スコアをショットの確率データを元にシミュレーション方法により導出している3。それによると全てのショットにおいてベストボール方式を採用するとPGAツアープロではスコアが60ストロークになり、平均スコアが80のアマチュアプレイヤーでは、70となることが報告されている。90の人のはあえて記載していないのですか?後で出るからかな?しかしながら、アマチュアゴルファーが1球だけ打撃した場合と、本来のルールを変更し,実際に複数回打撃するための厳密なルールを設定した場合,条件を与え状況判断を加えた場合において、どの程度スコアやスタッツ(フェアウェイキープ率、パーオン率、パット率等)が変化するのかという基礎的なデータは詳しく示されていない。シミュレーションと違い,実際に複数回打撃するラウンドを実施するとなると,プレーの安全面や疲労の影響や打順の影響などを考慮して厳密にルールやホール数を設定する必要がある.また,ショット精度の確率以外の要素として,2球目以降の使用クラブの変更や狙い方の変更など状況判断の変更要素をどこまで許容するのかをあらかじめ厳密にルール設定する必要があった.

そこで、本研究では通常1球しか打てないゴルフ本来のルールに助力(Assist)を加えるため、同じ箇所でのゴルフショットを複数回打てる条件を与え、毎回の結果が良かった方のボールを選択しホールアウトを目指すオリジナルのルール(セルフスクランブル:以下SC)を設定し,適用することで、アマチュアゴルファーのスコアとスタッツがどの程度変化するのかを明らかにすることを目的とした。

 

Ⅱ.  Methods

  1. Participants

Participants were 10 average male golfers (AG). All participants were right-handed players. The average age of AG was 54.80 ± 12.54 (years), height was 171.50 ± 3.85(cm), and mass was 70.30 ± 6.74 (kg). Experience years of golf was 18.30 ± 13.08 (years), best score in life was 83.30 ± 6.87 (strokes), and the average score of 3 rounds played on the same 9 holes was 46.57 ± 4.84 (strokes). The average club head speed of 1 wood was 40.02 ± 1.79 (m/s). Club head speed measured 5 shots by TrackMan system (Denmark) before course stats measurement.

 

2. Experimental set up

The experiments were carried out at the same 9 holes (Front 9 course in PGA Taiheiyo Club Mashiko, Tochigi prefecture, JPN) during 2017-2018, excluding some elements due to course difficulty as much as possible. The total distance was set up from 3192 to 3343 yards, par 36. We explained the rule and round system of the day to the participants and got their understandings just before starting rounds.

Round systems

  1. Normal Round (NR)

Player plays one ball in the normal rule.

  1. Self-Scramble 2 (SC2)

Player plays two balls at each time and choose the better one by yourself until holing out to lower score.

  1. Self-Scramble 3 (SC3)

Player plays three shots at each time and choose the best one by yourself until holing out to lower score.

 

  1. Self-Scrambleルールでのラウンド設定

参加者には3つのラウンド方式全てにおいて、出来るだけ少ない打数でホールアウトすることを要求した。なお全てのショットで、プリファード・ライのルールを適用してホールに近づかない1クラブプレース以内にボールをプレースできることとした。この理由として、2球目及び3球目を打つ場合に、全く同じボールの位置や状態を再現することが難しいことや、地面にボールがめり込んだ場合などの不確定要素をできる限り排除するために採用した。1パーティでのラウンド人数は、NRでは最大4名、SC2では最大3名、SC3では最大2名でのラウンドとして,ラウンド中の安全面と9ホールのプレー時間及び疲労に差が出ないように配慮した。またプレーヤーは連続して2球もしくは3球を打ち終えてから次のプレーヤーの打順へ変わるように指示した。SC2及びSC3では,ショットの質やカップまでの残り距離に関係なく,プレーヤー自身がスコアを縮めるために有利と判断したベストボールを選択した.SC2及びSC3では、プレーヤーがベストショットを打てたと判断した場合は、1球ないし2球だけで打ち終えて次打に向かってもよいこととした。また1球目ないし2球目の結果をフィードバックして使用クラブの変更と狙い方の変更を可能とした。グリーン外からカップインした場合はその時点でホールアウトとみなした。グリーンオン以降でSC2及びSC3では、1球目ないし2球目がカップインした時点でホールアウトとみなし、それ以降のパッティンスストロークは禁止した。

なお集中して実験参加することと疲労の影響を考慮し、1日に1種類のラウンド方式での9ホールのみのプレーに制限した。またプレーヤーごとに3つのラウンド方式をランダムな順番で行うように配慮した。

 

  1. 測定項目および分析方法

実験参加者は、事前に用意された以下の7つの測定項目が記録可能なスコアカードを用いてコース内で1ホール終了ごとに記録しながら、PGAの専門指導員が帯同する中でプレーを行った。

・Total score (strokes)

9ホールでの合計スコア.実験参加者の実力に最も近く,各個人の典型的なプレースタイルでの9ホールラウンド結果を分析するために、NRとSC2では3回のスコアの中央値を分析対象とした。SC3では、参加者の身体的・時間的負担も大きいため1回だけのスコアを採用した。なお、SC3での予備実験において、複数回のスコアでの標準偏差が極めて小さいことは確認されている(±2以下)。

 

・7 types of stats in 9 hole round system

  1. Driving accuracy (Fairway keep) percentage (%)

ティーショットでフェアウェイにボールが停止した確率(Par 3ホールを除く7ホール)。

SC2,SC3では選択されたボールがフェアウェイを捕えていれば成功と判断する

  1. Greens in regulation (GIR) percentage (%)

グリーン上にボールが乗った際に、2パットでパーが獲れる状況が9ホール中何回あったかの確率である。Par 3なら第1打、Par 4なら第2打セカンドショット、Par 5なら第3打サードショットでグリーン上にボールが乗っている状況を指し、パーオンとも呼ばれる。SC2,SC3では選択されたボールがパーオンしていれば成功と判断する

 

  1. Scrambling percentage (%)

パーオン出来なかった場合に、パーもしくはそれ以下のスコアであった確率

  1. One Putt percentage (%)

9ホール中1回のパットで終わった確率

  1. Total Putt (strokes)

グリーンオンしてからの、9ホールの合計パット数

  1. Putt Ratio (%)

スコアに占める合計パット数の割合

  1. Out of Double-Bogey frequency (times)

9ホール中ダブルボギーもしくはそれ以上悪いスコアであった頻度

 

4. Statistical Analysis

In this study, total score and 7-types of stats were estimated in mean value and standard deviation at three different round systems (NR, SC2 and SC3). Repeated measures one-way ANOVA’s were used to assess the different round system. Post hoc tests were made using multiple repeated measures t-test with Bonferroni correction. All data were assessed for normality and sphericity by Mauchly’s test. If the Mauchly's sphericity assumption was violated, Greenhouse-Giesser corrections was used. A partial eta-squared (η2p) was used to calculate the effect size (small = 0.01, medium = 0.06 and large = 0.14). A forward stepwise multiple regression was provided in order to generate explainable models by using the total score as the dependent variable. Independent variables included 7-types of stats. If the variance inflation factor (VIF) was less than 10, we detected that multicollinearity not occurred. All significance level was set to 0.05 and statistical analysis was performed using software SPSS 24.0 (SPSS, IBM, JPN).

 

Ⅲ. Results

Table 1 shows the results of scores and other stats data in NR, SC2 and SC3. Total score was 46.60 ± 3.10 in NR, 38.90 ± 2.43 in SC2, and 36.00 ± 2.41 in SC3. There was a significant difference between NR and SC2. SC2 was approximately 7.7 strokes lower than NR. SC3 was lower than NR (approx. 10.6 strokes). Furthermore, SC3 was lower than SC2 (approx. 2.9 strokes). Fairway keep percentage was 37 ± 20% in NR, 51±18% in SC2, and 76±23% in SC3. There was a significantly increased between NR and SC2 (approx. 25%). Greens in regulation (GIR) percentage was 17±14% in NR, 38±23% in SC2, and 50±25% in SC3. There was a significance increased between NR and SC2 (approx. 21%). There was a significantly increased between NR and SC3 (approx. 33%). Scrambling percentage was 17±15% in NR, 50±18% in SC2, and 69±23% in SC3. There was a significantly increased between NR and SC2 (approx. 34%). There was a significantly increased between NR and SC3 (approx. 53%). One Putt percentage was 21±12% in NR, 39±15% in SC2, and 44±9% in SC3. There was a significantly increased between NR and SC3 (approx. 23%). Total putt was 17.20±1.33 in NR, 14.80±1.83 in SC2, and 13.70±1.19 in SC3. There was a significantly decreased between NR and SC3 (approx. 3.5 strokes). Putt Ratio (Total Putt/Total score*100) was 37±4% in NR, 38±5% in SC2, and 38±3% in SC3. However, there were no differences in all-round systems (F(2,18)=0.23, p=0.79). Out of Double-Bogey frequency was 3.30±1.35 in NR, 0.80±0.40 in SC2, and 0.20±0.60. There was a significantly decreased between NR and SC2 (approx. 2.5 times). There was a significantly decreased between NR and SC3 (approx. 3.1 times).

Table 2 shows the results of stepwise multiple regression analysis selected the explainable variables which satisfied the conditions at the NR and SC2. GIR was only selected as the explainable variables for Total score at the NR, R2 was 0.566 (p < 0.05). Total score = 49.327 + (-16.364*GIR). In addition, the GIR and One-putt were selected as the explainable variables for Total score in SC2, R2 was 0.901 (p < 0.001). The multiple regression analysis developed the following equation for the Total score = 47.936 + (-12.257*GIR) + (-11.330*One-put).

 

 

 

 

 

 

Ⅳ. 考察 

ゴルフラウンドでは1回しか打撃する機会が与えられないという制約があり、ミスショットやミスジャッジメントが多いアマチュアゴルファーでは、プロゴルファーより次打撃での難易度が高い状況となることが多いためコースでの成功体験が得られにくく、これが上達への阻害要因の一部になっていると考えられる。そこで本研究はアマチュアゴルファーに対して、毎ショット複数回打撃出来る機会を与え,結果のよい方のボールをその都度選択させてホールアウトを目指すオリジナルルール(セルフスクラブル:以下SC2, SC3)を適用した場合に、通常プレーと比較して,どの程度のスコアやスタッツに変化が生じるのかをアベレージゴルファー10名を対象に調査した。

9ホールプレーでのトータルスコアは、NRよりもSC2及びSC3は打撃機会が増えるため短縮されることは仮説の段階で予想できたが、同じコースで繰り返しデータを測定することで実際に何打スコアが少なくなるのかはこれまでに検証されていなかった。その結果、アマチュアゴルファーは、毎回2回の打ち直しショットがあればパープレーに対して約3オーバーとなり、毎回3球の打ち直しショットがあればパープレー前後でラウンドできることが可能となることが導出された。

またトータルスコアを従属変数とし、各スタッツを独立変数とし、ステップワイズ法で重回帰分析した結果、NRではGIRがトータルスコアの51.2%を予測しており、SC2ではGIRとone- puttでトータルスコアの87.3%を予測しており、GIRがアベレージゴルファーのトータルスコアを低減する上で最も重要な要素であることが明らかとなった。

近年のゴルフ界では、プレーの分析が急速に進化している。特にUSPGAツアーでは、「ショットリンク」というデータ収集システムを構築している4, 5 。このシステムでは、レーザー技術を導入してグリーン面では約5㎝以内、グリーン以外では約90㎝以内の誤差で1000万回以上のショットに関する情報を集めてプレーの分析をおこなっている6, 7。このような莫大なデータをもとに、Mark Broadieは、シミュレーションモデルを利用して、6500ヤードのコースを設定し、プロとアマチュアの3つのレベルにおけるSC2のスコアについて予測スコアを示している。平均スコア90ストロークのプレイヤーにおける18ホールでのシミュレーションでの予測は78ストロークであり、本実験に合わせて9ホールのスコアに換算してみると、39ストロークとなり、実際のラウンド結果と近似していた。

ゴルフコーチは、ベストボール方式でのSC2をアベレージゴルフファーに採用することで、毎回の状況判断をやり直せる事ができ、その中で正しいクラブ選択や成功体験を実施者に多く与えられることが出来る。パープレーでラウンドすることはゴルファーなら誰もが達成したい目標であるが、多くのアベレージゴルファーは、プロゴルファーのような圧倒的な飛距離と正確なスイングとよくコントロールされたパッティングストローク方法がパープレーするためには必須条件であると考えている。しかしながら本研究が示した事実は、アベレージゴルファーの平均的な飛距離とスイング技術の範囲内であっても、ショットの確率を上げ,正しい状況判断のもと大きなミスを回避するショットを行い、パッティングでは適切なグリーンの読みと適切な距離と方向にボールを打ち出す調整ができれば、パープレーに近いところまでスコアを低減できる可能性があることを実証した。

 

1)フェアウエイキープ率

3つのラウンド方式を比較した結果、フェアウエイキープ率は、3球打つことでNRに対して有意な結果の向上が認められた。フェアウエイキープ率は、ゴルフスコア低減に寄与すると我々は予測していたが、実際のデータを解析するとそうではなかった。アベレージゴルファーでは、ティーショットのボール停止位置がフェアウエイにあるかラフにあるかという差がスコアに大きく影響するのではなく、ラフであっても次打でグリーンを狙える位置にあるかどうかが重要であることが推察された。

コーチの示唆:ラフの芝が長くない通常のプレー条件では、FWキープにこだわる必要はなく、それよりもダブルボギー以上になってしまう可能性の高い,池やOBなどのペナルティサイドや林や谷及び深いブッシュなどの危険サイドを回避してラフであっても大きなトラブルを回避できる方向に狙いを取るべきであることが示唆された.対照的に,危険を回避せずに最高のショットをFWの真ん中に打てたとしてもアベレージゴルファーではスコア低減には,さほど寄与しないと考えられた.

 

2) GIR

GIRは、NRに対してSC2とSC3条件では有意な差が認められたが、SC2条件とSC3条件では有意な差は認められなかったことから、仮に3球以上の打ち直しチャンスがあったとしてもさらにGIRが上昇するのではなく、グリーンまでの残りの距離なども影響していることが考えられたアマチュアゴルファーの平均的な技術を考慮するとグリーンまでの距離が100ヤードであれば2球の打ち直しでGIRの確率は向上すると考えられますが、例えば200ヤードの距離では、3球の打ち直しでもパーオンできない可能性が高いといえます。USPGAショットリンクによる公式スタッツでは、ツアーメンバー約200人のGIRが距離別に示されている8。2018年のツアーメンバー全体のおおよその中央値である100位の結果を参照すると、距離125ヤード以下では、GIRは81.74%と高いが、対照的に、200ヤード以上では、GIRは46.23%まで下がってしまいます。つまりプロゴルファーであっても残距離の度合いによりGIRがかなりの影響を受けることを示しています。

コーチの示唆:本研究では、SC2及びSC3条件では、1回目のショットをフィードバックしてクラブの変更を認めるルールを採用したため、近距離で難易度の低いショットでは、スイング技術の欠如によるミスヒットが修正されることに加えて,距離判断やクラブ選択ミスを修正したことで、GIRを向上できたと考えられた。GIRの向上はスイング技術に頼るところが多いと考えられているが,1回目の失敗の中には状況判断が悪く,ナイスショットでもグリーンを捕えることができないショットが度々あった.SC2及びSC3では1球目後,即座に打つ番手の変更を行い打球できることにより,その状況での正しい番手を選択しパーオンを達成するという成功体験を得られる可能性が高まるため,自身の飛距離性能を学ぶ機会を得られた.アベレージゴルファーではアップヒルやダウンヒル及びヘッドウィンドウとテールウィンドウなどの距離の判断やクラブの選択を正確に判断する技術が上がれば,GIRを高められる可能性がある.しかしながら、アイアンで打つことが不可能な遠距離のショットでは、ボールのコントロール自体に難易度が増すためその場の状況判断のミスを修正するだけではGIRの向上に至らず、スイング技術とボールコントロールの双方を高める必要もある。そのため、ドライビングレンジなどで基礎的な遠距離の打撃練習でショットの確率を上げること,更にはグリーンまでの残り距離をなるべく短くするためにドライバーの飛距離を伸ばすことの必要性が示唆された。また,重回帰分析の結果,スコアに対する重要度はGIRが最も高いために,ラウンド中は,パーオンを高めるための戦略にもっと注力するべきである.

 

(3)スクランブル率

パーオンを逃した場合のパーまたはそれ以上のスコアを得る確率を示すスクランブル率は、SC2条件において約50%とパーオンを逃した半分でスクランブルを成功している。この値は、2018年USPGA公式スタッツscramblingの最下位あたりの選手と同等であり、SC3条件での69%というscrambling成功率は、USPGA最上位の選手と同等であった。SC2以上の条件でプレーする場合,グリーンに近づくまでにベストボールを選択できる機会が増えるために、様々なトラブルを避けることが可能となるために、仮にパーオン成功しなくとも、比較的難易度の低い距離と場所からアプローチショットができることで高いscrambling成功率を獲得できたと考えられた。Broadieは、グリーン周りからのアプローチについて、ピンフラッグに対してShort Sideからアプローチショットする場合とLong Sideからアプローチショットする場合では難易度が大きく変わることを報告している9。ピンから近い側のグリーン外にミスすることに対するペナルティを定量化したShort sided indexによれば、Short sideの約20ヤードからアプローチショットをする場合と、Long sideの同距離からアプローチショットを打った場合では,そこからカップインに要する打数に差が生じることを示しています.Short sideからでは2.8ストローク、Long sideでは2.4ストロークとなり、Long side の方が0.4ストローク短縮出来ることが報告されており、ピンに対して同距離であってもミスする方向によりスコアに差が生じる.また,残りの距離だけでなくバンカーや打つ場所のスロープといったボール停止位置のライの状態によっても難易度は影響を受ける.

コーチの示唆:本研究では,プレーヤー自身がスコアを短縮するために,残り距離に関係なく有利になるボールを選択できたため,難易度の高いアプローチショットにチャレンジする必要が極めて少なかった.例えば,Short side で残り15ヤードの深いバンカーよりもLong side で残り30ヤードの平坦なラフのボールを選択できた.このことが,SC2及びSC3でのダブルボギー以上の数を極端に減らすことの一要因になった可能性がある.通常のプレー時にもパーオンが達成できない時にLong sideにボールが停止するように狙いを定めることでスクランブル率の向上が見込めるだけでなく,ダブルボギー以上の数を減らせる可能性が示唆され,プレーヤーはラウンドするコースをよく調査したうえで狙う方向を決める必要がある.

 

 

 

  1. 1パット率   

パッティングの技量評価は、これまで1パット率や合計パットといった指標が用いられてきた。そのため、本研究においてもこれまで使用されてきた1パット率と合計パットの2つの指標を用いた。しかしながら、これらの指標では残りのパッティング距離を測定することができず、距離に対するパッティングの技量を正確に判断できているとはいえない。最新のショットリンクシステムでは、グリーン上でどこからどこまでボールが動いたのかを全選手5cm以内の誤差で計測できる。このデータを使ったSGP(ストロークゲインドパッティング)という指標では、残りの距離に対するパット成功率が示され現在ではパッティングの技量を評価する判断材料として使用されている引用7エブリショットカウント.本研究では、レーザーシステムの設備がないこと,プレーヤー自身でスタッツを取らなければならないこと、パットの残り距離をプレー中に正確に短時間で計測できないこと,指導法として実践への応用を考慮した場合,従来の方法を選択するほかなかった。しかしながら、PGAツアー公式スタッツでもONE-PUTT PERCENTAGEは記録されている。2018PGAツアーのONE-PUTT PERCENTAGEランクにおいてトップの選手は、約44%となり、本実験でのSC3の結果と同等であった。そのため,実験参加者は,SC3のグリーン上においてプロ同等のパッティング成功率を体験することができた.しかしながら,実験参加者は,2-3球の打ち直しの間に,プロ同等の正確なストローク動作を手に入れたわけではない.Ishikuraは、頭頂部とパターヘッドの協調動作(coordination pattern)の練習効果を検討している10。この実験によれば、50球という比較的少ない練習数では、初心者に見られるインパクト前後での頭頂部の目標方向への水平移動は改善されなかったと報告している。このことからも,SC3でONE-PUTT PERCENTAGEが上がった原因は,ストロークパターンそのものが2-3球の間に改善されたとは考えられない.むしろ,ストロークパターンには変化なく,1-2球をパッティングする機会に,その場の環境に適したグリーンリーディング情報が得られたため,その距離と方向に打ち出し方向を自身のストロークパターンを用いて調整することができた結果だと考えられる.Kalsen et al., は、ハイスキルプレーヤーではグリーンリーディングの重要度が60%に達し、ストローク技術(34%)よりも重要であることを報告している12.そのため,SC3のみ有意にONE-PUTT PERCENTAGEが上がった要因として確率の問題の他にも,その場の環境に適したグリーンリーディングの情報が1球目2球目の試技で得られたためだと考えられた.

コーチの示唆:パッティングの指導法や練習法として主にストロークパターン(フォーム・ストローク方法)の練習をおこなうことが多い.しかしながら,コースで求められているのはその場に適した距離と方向を読むことができた上で,さらにその適切な距離と方向に打ち出す技術である.本研究では,複数回打てることでグリーンリーディングの情報を得られた上で,距離と方向の調整を自身のストロークパターンを用いることでカップイン率を高めることに成功した.些細なストロークパターンの調整を行うことも上級者になるほど必要になってくることも事実ではあるが,どの技術レベルであってもグリーンリーディングはもっと練習されるべきである.また,ラウンド中はグリーンリーディングにもっと注力することでパット成功率を高める可能性が示唆された.

  1. 合計パット数 

合計パット数(Putts per round)において、2018PGAツアーランクトップの選手の1ラウンドあたり27.82ストロークの9ホール換算した半分の値と同等であった。本実験の結果では、1パット率、合計パット数の両方において、NRvs.SS3のみ有意な差が確認できた。カップまでの残り距離が同等ではなかった可能性はあるが、3回のチャンスが与えられることで1パット率は上がり,合計パット数も少なくなったという結果である.パッティングでは,技術的な側面の他に精神的な面もパフォーマンスに影響を及ぼすことが知られている

引用1A multidisciplinary study of the 'yips' phenomenon in golf: An exploratory analysis.イップスについて 他にもいくつか

引用2 The influence of monetary reward and punishment on psychological, physiological, behavioral and performance aspects of a golf putting task.

パッティングの心理的課題の金銭的報酬と罰の影響について 

引用3 The influence of audience and monetary reward on the putting kinematics of expert and novice golfers. 初心者とプロの観客と報酬のプレッシャー下で

引用2と3は、著者が日本人の田中さん武庫川女子大学

 

Hasegawaは、心理尺度検査による不安傾向の強いアマチュア競技に参加するゴルファーであっても、2m以下のショートパットで本来のストロークができなくなり,バックスイングは短くなり平常時よりもインパクトスピードが落ちてしまうアンダーシューティング現象が起こることを報告している11.1球のみしか打つことが許されないNR条件では,カップインできなかった場合の次打の距離に不安が残るために,カップを適度に通り過ぎるようなチャレンジングなパッティングは行うことは難しく,不安状態でのパッティングを強いられる場面も多い.対照的にSC3では,3球打てるという精神的な余裕をもって1球目からパッティングを行うことができる.さらに,仮に1球目がカップから30㎝に寄せることができ,次打で確実にタップイン可能な距離に停止すれば,2球目3球目は不安のないチャレンジングなパッティングを行うことが可能となる.SC3では,グリーンリーディングや距離や方向の調整といった技術的な有利性に加え,心理的な負荷も軽減されたことで合計パット数が有意に減少したと考えられた.

コーチの示唆:本研究では,SC3では,心理的な負荷が軽減されることも合計パット数を減らす1要因になったと考えられ,プレーヤーはラウンド中にいかに不安状態に陥らないようにするか戦略と対策を考える必要が示唆された.また,日常的に行うパッティング練習も不安を解消できるように努めるべきであり,練習すればするほど不安になるような練習方法やマインドでの練習はかえってコースでのパフォーマンスを下げる可能性もあると考えらえた.

 

 パット比率

スコアに対するパット数の比率を算出した Putt Ratioは、約43%になることを先行研究では報告している13。本研究では、3つのプレー方式において、この数値はすべて約38%となり、3つのプレー方式の違いによる有意な差は確認できなかった。トータルスコアはプレー方式が変わると有意に少なくなったが、ゴルフゲームにおけるショットとパットの比率を大きく変化させることはなかった。本研究では、実際のゴルフゲームに近い形でスコアの低減させる経験をアベレージアマチュアゴルファーに経験させることが目的の1つであったが、詳細にスタッツを分析した結果、SC2-3とショット数が少なくなることと比例してパット数も同等に少なくなり,複数回打てるプレーであっても,特別なプレースタイルに変化することはなく,スコアの減少が可能であったため,プロや上級者のスコアメイクの方策を疑似体験することに成功した.

コーチの示唆:本研究では,実験参加者のパット比率を変化させることなく現実的に起こりうるパット比率でスコアを減少させることができたため,SC2及びSC3の各スタッツの数字は,実際1球のプレーで,SC2及びSC3のようなスコアを作るために,どのくらいのスタッツが必要になるのかという指標となり,具体的な目標としてモチベーションアップに効果的に活用できると考えられた.

7)Wボギー以上

ダブルボギー以上の数は、NRでは約3.3回であったが、SC2では約0.8回と有意な減少が確認された。今回の研究では全てのショットで状況の良い方のボールを選択できる条件であったため、様々なトラブルを回避しWボギーの数を低減することが出来たと考えられた。アベレージゴルファーのNRでは、OBやペナルティエリアなどのトラブルを避けることができる技量が小さく、またその場での適切な状況判断を施す経験が未熟であることでスコアが悪くなることが予想される。それゆえベストボール方式を採用し、特に優れたショットが打てなくてもトラブルを回避してプレーを進めていくことでもパーを獲得する経験を得るようなラウンドトレーニングを実施する必要がある。また、ベストボールを選択するセルフスクランブル方式では、これだけ極端にダブルボギー以上を減らせる効果があるということは、偶発的に起きてしまう1ホールでのビックナンバーというらしい英語で(大叩き)を回避するための方法を習得できる可能性がある。それゆえ本研究のラウンド方式でデータの振り返りを行うことで、プレーヤーは各ホールでのスコアのバラツキ(標準偏差)を少なくすることがトータルスコアを低減する上で重要であることを理解することができるであろう。

コーチの示唆:本研究では,SC2で十分にWボギー以上を減らせる効果を得られたため,2回打つショットの内,悪い方のショットの質を上げることがビッグナンバーを防ぐことにつながり,よい方のショットは十分に9ホールを39で回るのに値すると考えられた.そのため,ラウンド中は,ひどいミスショットを打たないようなその場に応じたショット戦略を選択することでビックナンバーを減らせる可能性がある.また,日常的な練習では,様々なショットのバラツキ(標準偏差)を少なくすることはよく知られたことだが,本研究結果でも実証された.

Ⅴ. Conclusion

NPと比べ、SC2では7.7ストローク、SC3ストロークでは10.6ストロークの有意なスコア減少が認められた。

  1. ラウンド方式が変化し、トータルストロークが減少してもパット比率には有意な変化が認められず、GIR確率の有意な向上が最もスコア低減に寄与することが明らかとなった。
  2. SC2とSC3の比較では、スコア以外のすべてのスタッツ項目で有意な差は認められなかった。それゆえアベレージゴルファーは、安全面と実用性を考慮してSC2での9ホールラウンドトレーニングを繰り返し自己分析のためのフィードバックを行うことが、パープレーを達成するために重要である可能性を示唆した。

 

. Limitation and Practical Application

本来ならば、ベストボールを採用した練習方法がトータルスコアの短縮に有効的か否かを実証するには、ある一定期間の練習前後のNRスコアを比べることが必要である。しかしながら、本研究では各被験者で記録を取りながらの9ホールのラウンドを7回以上行わなければならなかったため、時間的制約があり困難であった。一方で、9ホールでのベストボール方式はアマチュアゴルファーでも集中力を維持できることが可能であり、またゴルフスコアにおける偶然性やアンラッキーの部分をできる限り排除し、1ホールのビッグスコア(大叩き)を回避した形で各個人ラウンド技量を正確に評価できる方法論となる可能性がある。他にも、ゴルフ技量レベルの違う者同士でのラウンド時にハンディキャップに代わる目安としても利用できる可能性もある。また、SC2とSC3では、スコア以外のスタッツ項目に有意な差が確認できなかったことから、プレイヤーの疲労や複数人で要する時間や安全性を考慮するとSC2で1組3人までで9ホールラウンドすることが現実的と考えられた。本研究では、プレーヤー自身がラウンド中にプレースタッツを記録する方法を取ったため残距離に対するパーオン率やパット数までは計測できていないため、距離に対するパーオン率やパット数の関係は明確にできなかったため今後の検討課題としたい。最後に、2~3球打ち直してプレーを行う場合、ゴルフ倫理の問題を考慮してゴルフ場には許可を取って実施するべきである。

 

. Acknowledgements

実験会場の提供と多大な協力を頂いた太平洋クラブ益子PGAコース、実験に参加したPGAアカデミー益子のレッスン受講生、研究に協力してくれた共同研究者の皆様に感謝申し上げます。

 

. References

 

 

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